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日常の下らない光景と独り言。

2025'06.30.Mon
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2006'12.23.Sat

02

不定期短文連載。
…第二話やっとこアップ。
俺と加倉井の話の続きです。その後の二人、車の中。
えーと前回分からなかった「俺」の名前、まだ出てないです。けどもう言っちゃおうかな(笑
本文中で加倉井から「ニキ」と呼ばれているんですが、本名は「二木(ふたつき)」です。通称ニキ。
余談だけど、通りすがりのお客さんから拝借した苗字だったりする…。
へー、二木って読むんだ!みたいな。


さっき柚子湯に入ってきました。冬至だったからね。
めちゃくちゃ匂いがよくって、いつもの倍くらい長く入っておりました。
気持ちよかった~vv



「で、どこ行くんだよ」
「さぁ?これ、このまま真っすぐ行ったら高速入れるっけ?」
「たぶん…てお前!本当にどこまで行く気だよ!」
「…え、嫌か?」
 運転を続けながら、ちらっとこっちを見る加倉井と目が合う。
 ―――しょうがないな。
 そのようにどこか懇願するような目をされては、こちらも強く出れない。実際明日は仕事も休みで、これからどこかへ行くことに支障があるわけではないし。
「…べつにー」
「ならいいじゃん」
 なんでそこでホッとした顔するかなー…。
 加倉井の方を見ていられなくて、思わず窓の外へと目を逸らす。
 ちょうど車は、高速道路の入り口にたどり着いたところだった。どうやら本気で高速を行くつもりらしい。果たして行き先は、決まっているのかいないのか。
 煙を大きく吸い込んで、吐き出す。相変わらず車内の音といえば、それとラジオの音だけだった。
 吸い終わった煙草を灰皿に押し込んで、俺は最後の煙を吐き出した。

 コイツの気持ちが分からない。一体何を考えていて、どうして俺といるのか。今も昔もだ。
 …そんなの今更なんだけど。
 車内の沈黙が俺に色々なことを考えさせる。昔の事とか、思い出してしまってしょうがない。
 自分の唇に手を伸ばす。指で触れる。
 ああ、口元が寂しい。
「ニキ、ん」
 そうして差し出された煙草は、加倉井の愛用しているラッキーストライク。
 それじゃないって言いたかったけど、そんなこと口に出せるはずもなく。
「サンキュ」
 俺は煙草を受け取った。


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